帯状疱疹予防接種について
当院では帯状疱疹の予防接種(生ワクチン/不活化ワクチン)を取り扱っています。
(お電話予約:092-874-5630)
2016年3月から、幼児の定期接種に使われている水痘ワクチンが50歳以上を対象に帯状疱疹予防に使用できるようになりました。
帯状疱疹は小児期に帯状疱疹ウイルスにより水痘(水ぼうそう)にかかり、いったん治癒したのち脊髄後根神経節等に潜伏した帯状疱疹ウイルスが再活性化することで発症する、高齢者に多い病気です。
日本人成人の90%以上は原因となるウイルスが体内に潜んでおり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹になると言われています。
皮疹が治った後も約2割の方に長い期間神経痛(帯状疱疹後神経痛)が残り、失明、耳鳴り、難聴などの後遺症が残る場合があります。
予防接種を受けて頂く事により、帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛の発症予防が期待できますので、ぜひご検討ください。
生ワクチン(商品名ビケン)
対象
50歳以上の成人
*免疫抑制をきたす治療を受けている方や妊娠中の方には接種できません
副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン等)、免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン等)
方法
1回皮下に注射する
効果
米国で水痘ワクチンの力価を高めた生ワクチンZostavaxの大規模臨床試験が報告されています。
これは、60歳以上の3万8,546例を対象にした多施設二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験で、約3年間フォローアップした。その結果、プラセボ群に比べワクチン接種群では帯状疱疹の発症が51.3%少なく、帯状疱疹後神経痛(PHN)が66.5%少なかったです。
A:帯状疱疹発症率が51.3%減少
B:帯状疱疹後神経痛の発症率が66.5%減少
注意点は生ワクチンであるため、リウマチなどの免疫の病気や癌などの免疫が低下しているあるいは、免疫抑制剤使用中の患者さんに使用出来ないことです。
出典
A Vaccine to Prevent Herpes Zoster and Postherpetic Neuralgia in Older Adults
不活化ワクチン: シングリックス筋注用
対象
50歳以上の成人
方法
2ヶ月間隔で2回、筋肉内に接種する
*6ヶ月後までに2回目の接種をお願いいたします。
効果
国際共同第Ⅲ相試験(ZOSTER-006試験)では、50歳以上の成人に対し有効性は97.16%(95%信頼区間93.72-98.97%)であった。
安全性調査では。局所(注射部位)の副反応発現頻度は81.5%であり、主なものは、疼痛79.1%、発赤38.0%、腫脹26.3%であった。
また、全身性の副反応発現頻度は58.2%で、主なものは、筋肉痛41.4%、披露40.1%、頭痛33.9%であった。
また、国際共同第Ⅲ相試験(ZOSTER-022試験)では70歳以上の成人に対し有効性は89.79%(95%信頼区間84.29-93.66)であった。
安全性調査では局所(注射部位)の副反応発現頻度は74.1%で、主なものは疼痛68.7%、発赤39.2%、腫脹22.6%であった。
全身性の副反応発現頻度は43.8%で、主なものは、披露27.8%、筋肉痛27.2%、頭痛20.6%であった。
70歳以上における帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症
グラクソ・スミスクラインホームページより作成
まとめ
予防効果を期待したい人や免疫抑制剤など使用中の方はシングリックス
費用面を抑えたい、副反応が心配、1回で済ませたい方は弱毒生水痘ワクチンビケン
おばた内科クリニックでは
シングリックス:1回22,000円(税込み)
ビケン:1回8,000円(税込み)
にて予防接種を行っています。
*自治体によって予防接種費用の助成がありますので、確認されて下さい。