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めまい

めまいについて(症状・原因・治療)

身体のバランスを保つ機能に障害が起こることで発症し、ぐるぐる回る感じ(回転性vertigo)、フワフワした感じ・宙に浮いた感じ(浮動性dizziness)、意識を失う感じ(前失神性、眼前暗黒感presyncope)など、さまざまな症状があります。
めまいには、耳から生じるもの、脳から生じるもの、脊髄から生じるもの、末梢神経から生じるもの、貧血によるものなどがあります。
また、疲労やストレスが原因でめまいが起こることもあります。

からだのバランスのメカニズム

からだのバランスは以下の手順で感知しますので、問診や診察に加え、頭のMRI検査などで原因を調べることによって、患者さんにあった治療法を考えていきます。
一般的にめまいは重大な原因で起こることはまれですが、まれに脳のトラブルや不整脈など心臓のトラブルによるめまいがありますので、原因を調べることは大事です。

  1. 目を使って見る(視覚)⇒どこにいるかという情報
  2. 耳にある平衡感覚器(前庭覚)⇒頭が動いたという情報
  3. 体性感覚(足裏感覚)⇒どこにいるかという感覚

これらの情報が小脳でまとめられ、大脳で認知していきます。
また、ストレスは特に小脳と大脳に悪影響を及ぼし、めまいを感じやすくさせるとされ、ストレスによって一度起きためまいが治りにくくなると言われています。

めまいの4大原因

1.耳(前庭)が原因のめまい
  • 最も頻度が多い
  • 急に振り返ったり、下を向いたりした際にめまいを感じる
  • 車に乗っている時や人混みなどで、周りのものが動いている
  • 状況でもめまいを感じることがある
2.小脳が原因のめまい
3.大脳が原因のめまい
  • 小さい頃から乗り物酔いをしやすい
  • 光や音に敏感
  • 頭痛もち*片頭痛関連めまい(前庭型片頭痛)
4.ストレスが原因のめまい

めまいの悪化因子

  1. 睡眠不足
  2. 風邪などの体調不良
  3. 寒くなったり、低気圧の接近
  4. 忙しい行事による疲れ
  5. 家族の病気などのストレス
  6. 人ごみ、デパート、ラッシュの交通機関などの視覚刺激
  7. 女性は生理の前後、更年期の時期(女性ホルモン)
  8. 暗いところから急に明るいところに出る、またはその逆
  9. 狭いところや高いところ

薬による治療

  • ベタヒスチンメシル酸塩(メリスロン)
    効果が期待できるのは1日36mgとされ、EBM(根拠に基づく医療、evidence-based medicine, EBM)としてきちんとした薬の効果が統計上認められている
  • ジフェニドール塩酸塩(セファドール)
    めまい症状のある急性期から亜急性期での使用で症状を改善させて報告があるが、長期的な使用については、明らかな効果は認められず、めまい症状が出現してから2~3週間までの使用が望ましい
    EBMとして海外の文献では報告評価されていない
  • アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物(アデホスコーワ)
    メニエール病などの内耳性めまいには1日300mg以上でないと有効性がないとされる
  • サリチル酸ジフェンヒドラミン+ジプロフィリン(トラベルミン)
  • プロメタジン塩酸塩(ヒベルナ、ピレチア)
    めまい症状と自律神経症にも有効であるが、副作用として眠気に注意が必要

*難聴を伴う場合には、内耳の循環障害改善を目的にプロスタグランディンE1などの循環改善薬に加え、抗炎症効果を期待して副腎皮質ステロイドを使用するなど専門的な治療が必要となりますので、耳鼻咽喉科での治療が望ましいです。

リハビリによる治療

リハビリを行うことにより、目・耳・足の裏を刺激して脳を学習させます。
慣れるまではめまいや吐き気などの辛い症状を伴うことがありますが、それを克服して脳に学習させることでめまいが良くなることが期待できます。
リハビリを数か月継続することにより、約80~90%で症状の改善が認められた報告がありますので、根気よく行うことが大事です。

なお、年齢とともに治療効果は落ちるとされ、特に80歳を越えたあたりから出にくくなる傾向があります。
リハビリを行うおすすめの時間帯は起床時、朝食前、昼食前、夕食前、就寝真、入浴時などです。
すべてのめまいに対しリハビリが有効ではありませんので、具体的なリハビリ方法については、クリニックにご来院されたときにお話させていただきます。

ストレスの対処法

ストレスがあると、より強いめまいや吐き気を感じてしまい、自律神経の乱れにより呼吸や心拍数が早くなってしまいます。
呼吸や心拍数を抑えることにより、めまい症状の改善が期待できます。
ゆったりとした気持ちでリラックスした状態を得るには、腹式呼吸を行い、呼吸をコントロールすることが有効です。

はじめに、できれば静かで心地よい場所に座って、きつい服はゆるめて目を閉じます。両手をおへその上に置きます。
呼吸の際に、この手を意識して胸の上のほうから呼吸することは避け、胃の部分がゆっくり上がったり下がったりするように呼吸します。
鼻から息を2秒間かけて吸って、4秒間かけて口から吐き出します。
慣れてきたら、5秒で吸い、10秒で吐き出します。
このゆっくりとした呼吸の際に、息が十分に吸えないと感じる方は、普段、呼吸をしすぎている可能性があります。
体が必要だと思っている酸素の量をリセットする必要があるかもしれませんので、一度10秒間呼吸を止めると改善することがありますので、試されてみて下さい。

めまいについてのまとめ

重篤な病気によるめまいはまれです。
ですが、めまいは集中力の低下や吐き気や倦怠感などの不安な症状を引き起こし、日常生活に影響を起こすことが少なくありません。
めまいの悪化となる因子をできるだけ避け、内服薬など薬だけではなく、リハビリで改善させることも期待されますので、めまい症状でお困りの患者さまはいつでもご相談ください。

めまい治療の流れ

1初診

予約は必要ありません。
めまいでお悩みの方は、お気軽にお越しください。

2検査・診察

お悩みの症状を詳しくうかがったうえで、診察をします。
首や肩の触診も行いながら、めまいの原因を明らかにしていきます。
必要に応じてMRIの画像診断もいたします。

3治療

運動療法に加え、症状緩和のために薬物療法も組み合わせて行います。

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