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【甲状腺機能低下症とは?】~症状から治療までをわかりやすく解説~

[2025.05.31]

こんにちは。内科・糖尿病・甲状腺・内分泌の勝原俊亮です。


今回の記事では、「甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)」について、初めての方でも理解しやすいように症状、原因、検査、診断、治療について丁寧にご説明します。

甲状腺の病気は、気づかれにくいまま進行してしまうこともあります。「なんとなく体がだるい」「気分がすぐれない」…そんな不調の背景に、実は甲状腺の異常が潜んでいることもあるのです。


■ 甲状腺機能低下症とは?

甲状腺ホルモンの分泌が不足している状態を「甲状腺機能低下症」といいます。ホルモンが不足することで、体の働きが全体的に“スローダウン”します。


■ 主な症状

以下のような症状がゆっくりと現れ、年齢や性別によっては「年のせいかな?」と見逃されることもあります。

  • 疲れやすい、だるい

  • 体重が増えやすい(食べていないのに)

  • 寒がりになる

  • 皮膚が乾燥する

  • 髪が抜けやすい、パサつく

  • 便秘

  • むくみやすい(特に顔や足)

  • 気分の落ち込み、うつ症状

  • 生理不順、不妊

  • 声がかすれる、ゆっくり話す

  • 脈が遅くなる


■ 主な原因

  1. 橋本病(慢性甲状腺炎)
     → 自分の免疫が甲状腺を攻撃してしまう病気。中年以降の女性に多く見られます。

  2. 甲状腺の手術や放射線治療の後
     → バセドウ病の治療後に低下することがあります。

  3. 薬の影響
     → 抗甲状腺薬、抗がん剤、リチウム製剤、インターフェロンなど。

  4. 一時的な甲状腺炎の回復期
     → 無痛性甲状腺炎や亜急性甲状腺炎の後、ホルモンが一時的に低下することがあります。


■ 検査と診断

血液検査で以下のホルモンの値を測定します:

  • TSH(甲状腺刺激ホルモン):高値

  • FT4(遊離型サイロキシン):低値

その他、橋本病が疑われる場合は自己抗体(抗TPO抗体・抗サイログロブリン抗体)を調べます。必要に応じて、甲状腺エコー検査で腫れや炎症の有無も確認します。


■ 治療方法

基本は、**不足している甲状腺ホルモンを補う飲み薬(レボチロキシン)**での治療です。

  • 1日1回、少量から開始して体に合った量に調整します。

  • 血液検査でホルモン値を定期的にチェックしながら、長期間にわたって服薬を継続します。

  • 橋本病によるものは完治というより一生付き合う病気であることが多いため、定期的な通院が大切です。


■ まとめ

甲状腺機能低下症は、日常的な不調と見分けがつきにくい病気ですが、治療すれば元気を取り戻せる可能性が高い病気です。気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。


当院では、甲状腺の専門医による診療を行っております。
「もしかして?」と思ったら、早めの検査が安心につながります。

今後も、甲状腺に関する情報を定期的に発信してまいります。

動画でも簡単に解説しておりますのでご参照ください。

👉甲状腺機能低下症(橋本病など)についての動画はこちら

 

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