超音波(エコー)検査
超音波(エコー)検査について
超音波(エコー)検査は、人の耳で聞き取ることのできないほどの高い周波数の音を使って病気の有無を調べる検査です。検査する部位にゼリーを塗り、プローブという超音波探触子(超音波が出る機械)を体の表面にあて、臓器や組織の境界から反射してくる超音波を画像として写し出します。
超音波は無害ですので放射線の被ばくの心配はなく、繰り返し検査を行っても体への影響はありません。そのため、妊娠の可能性のある方や妊婦さんでも検査を受けることができます。
超音波検査はいろいろな角度から調べることができ、比較的短時間で非常に多くの情報を効率的に知ることができますが、空気や骨は超音波が透過できません。そのため、骨などに囲まれた部位や脳、肺などは検査できないという欠点があります。
1.腹部超音波検査
腹部超音波検査では主に肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓、膀胱、腹部大動脈を検査します。男性であれば前立腺、女性であれば子宮、卵巣も併せて検査しますし、必要に応じて胃や腸などの検査も行います。
腹部超音波検査で調べる主な病気
肝臓 | 脂肪肝、肝硬変、肝嚢胞、肝血管腫、肝腫瘍など |
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胆嚢 | 胆石、胆嚢ポリープ、胆嚢腺筋症、胆嚢腫瘍など |
膵臓 | 膵嚢胞、膵石、膵腫瘍など |
脾臓 | 脾腫、脾血管腫、脾腫瘍など |
腎臓 | 腎結石、水腎症、尿管結石、腎嚢胞、腎腫瘍など |
検査の注意事項
検査前6時間は絶飲食の必要があります。ただし、水、お茶、ブラックコーヒーは検査1時間前までは摂取可能です。
排尿はできるだけお控え下さい。
2.心臓超音波検査
心臓は全身に血液を送るポンプの役割をしています。心臓は4つの部屋と4つの弁から構成されており、心臓超音波検査では、各部屋のバランスや大きさ、心臓の壁の厚さや動き、弁の状態や動きなどを調べます。
また、血液の流れを視覚的に評価するカラードプラ法を用いて、血液の逆流や乱れがないか、中隔に穴がないかなども確認します。
心臓超音波検査で調べる主な病気
心筋梗塞、心筋症、弁膜症、心房中隔欠損症、心室中隔欠損症など
検査の注意事項
食事の制限はありません。
検査時に心電図のシールを3カ所貼らせて頂きます。
3.頸動脈超音波検査
頸動脈は心臓から送られた血液を脳に送る重要な血管です。
頸動脈超音波検査では、頸動脈の走行や血管壁の厚さ、プラークの有無、カラードプラを利用した血液の流れなどを調べます。
頸動脈の動脈硬化の程度を調べることで全身の動脈硬化の程度を推測することができるため、脳梗塞だけでなく心筋梗塞や狭心症などの危険を推測するのに役立ちます。
検査の注意事項
食事の制限はありません。
首まわりが出しやすい服装でいらして下さい。
4.甲状腺超音波検査
甲状腺はのどぼとけの下にある蝶のような形をした臓器で、新陳代謝をコントロールするホルモンを分泌しています。
甲状腺超音波検査では、甲状腺の大きさや形、腫瘍などの有無を調べます。
甲状腺超音波検査で調べる主な病気
びまん性疾患(バセドウ病や慢性甲状腺炎など)、結節性病変(嚢胞や腺腫様甲状腺腫、濾胞腺腫、ガンなど)など
検査の注意事項
食事の制限はありません。
首まわりが出しやすい服装でいらして下さい。
5.下肢超音波検査
下肢血管超音波検査では、下肢の血管の血液の流れに異常がないか、血栓(血の固まり)の有無などを調べます。
下肢血管超音波検査で調べる主な病気
閉塞性動脈硬化症、深部静脈血栓症、下肢静脈瘤など
検査の注意事項
食事の制限はありません。
下肢全体を検査するため、検査用ディスポーザブルパンツに着替えて頂きます。