リハビリは継続することが大事!
脳梗塞や脳出血などの脳卒中は治療により救命出来ても、歩きにさや手の動かしにくさ、話にくさなどの後遺症が残る事が少なくありません。
後遺症の程度によりますが、退院後はリハビリテーションが出来ないと思われ、後遺症により日常生活に不自由しながら、生活されている患者さまもいらっしゃいます。
今回歩行障害に対するリハビリテーション内容(強度とリハビリ期間)の効果について、報告がありました。
結論から述べさせて頂きますと、「運動強度60%を超えるリハビリを8週間以上行うとより効果が期待出来る」です。
*予備心拍数:最大心拍数(220―年齢)−安静時の心拍数
今回の報告ではリハビリ期間について、4週、8週、12週で検討されていますが、8週間よりも12週間でより効果が報告されていますので、12週間以上行うことにより、さらなる改善が期待できるかもしれません。
少なくとも、長期的にリハビリテーションを行う事が悪いことはないと考えます。
現在の医療保険では、脳梗塞や脳出血などの脳卒中は発症から最長180日間となっていますが、180日間経過後は介護保険を利用することで、継続したリハビリテーションが可能です。
おばた内科クリニックでは医療保険だけではなく、介護保険を利用したリハビリテーションの利用も可能です。
当院への通院が困難な患者さまには、患者さまのご自宅に伺わせてリハビリテーションも可能です。
お困りの患者さまやご家族さま、いつでもご連絡下さい。
報告の詳細
対象
脳梗塞や脳出血発症から6カ月〜5年経過した維持期の患者さまを対象に、歩行に対するリハビリテーションの効果を検討。
検討内容は、リハビリテーションの強度(高強度と中強度)と期間(4,8,12週間)。
高強度:運動強度60%を超えることを目標
中強度:運動強度40%を維持することを目標
例えば、65歳の患者さんが運動強度60%の運動をしたい場合の目標心拍数は?
*目標心拍数=運動強度×(最大心拍数(220-年齢)-安静時心拍数)+安静時心拍数
まずは安静時の心拍数を計測します。安静時の心拍数が仮に60であった場合
↓
0.6✕(220−65−60)+60=117
心拍数が117になるように運動を行っていきます
結果
主要評価項目は6分間歩行テストの距離とし、4、8、12週間のトレーニングの効果を検討。
4週間後における変化量は、高強度と中強度に差はなかった
〔高強度群27m(95%CI 6~48m)、中強度群12m(同-9~33m)、平均差15m(同-13〜42m)、P=0.28〕。
しかし、トレーニング8週間後および12週間後の6分間歩行テスト距離の変化量は中強度群に比べ高強度群で大幅に増加した〔8週間後:中強度群29m(95%CI 9~48m)vs. 高強度群58m(同39~76m)、平均差29m(同5〜54m、P=0.02)、12週間後:27m(同3〜50m)vs. 58m(同39~76m)、平均差44m(同14〜74m、P=0.005)〕。
脳卒中慢性期歩行リハの有効性を示す - メディカルトリビューンより