オリーブオイルで認知症関連死亡の予防を!
オリーブオイルには、一価不飽和脂肪酸による血液中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)を下げる作用に加え、ビタミンEやポリフェノールなどの抗酸化作用を持つその他の化合物を多く含むことから、抗炎症作用と抗炎症効果による神経保護作用が発揮され、認知機能の低下予防が過去の研究で報告されています。
今回、アメリカのAnne-Julie Tessier氏らは、オリーブオイルの摂取が認知症関連の死亡と関係があるかを調査し、「オリーブオイルを1日7g以上摂取すると、オリーブオイルをまったく摂取しないか、ほとんど摂取しない場合と比較して、認知症関連死亡のリスクが28%低い」と報告しました。
ちなみにテーブルスプーン(カレースプーン)1杯がおよそ7gです。
調査方法
Nurses' Health Study(NHS)の女性とHealth Professionals Follow-Up Study(HPFS)の男性を対象に、92,383人(男性31,801人、女性60,582人)を4年毎にオリーブオイルの摂取量を28年間(1990~2018年)追跡しました。
なお、オリーブオイル摂取量は、「摂取なし/月1回以下」「0g/日超4.5g/日以下」「4.5g/日超7g/日以下」「7g/日超」の4群に分類。
また、マーガリン、マヨネーズ、バター、その他の植物油(トウモロコシ、ベニバナ、大豆、キャノーラ)について1日5gをオリーブオイルに置き換えた場合についても検討しました。
結果
・オリーブオイルの7g/日超摂取は、摂取なし/月1回以下に比べて、認知症関連死亡リスクが28%低くかった。
・置き換えによる認知症関連死亡の関係について、マヨネーズをオリーブオイルに置き換えた場合は14%、マーガリンをオリーブオイルに置き換えた場合は8%、認知症関連死亡が低下しましたが、バターやその他の植物油では代わりありませんでした。
まとめ
オリーブオイルにはLDLコレステロールの改善と抗炎症作用・抗酸化作用が期待され、日常的に7g/日の摂取が望ましい。
特にマヨネーズやマーガリンを好まれている場合は、オリーブオイルに置き換えることがより望ましい。
オリーブオイルについて
・オリーブオイルは1gがおよそ9kcalと比較的カロリーが高い食べ物ですので、健康に良いと思って、摂り過ぎないように注意が必要です。
・空気や日光などによって、味や香りに変化が出やすい油ですので、遮光性のあるガラス製が良いです。特に開封した場合は劣化を防ぐために冷暗所に保存して下さい。冷蔵庫での保存はオリーブオイルが結晶化することから、品質劣化に繋がりますので、避けて下さい。
・加熱しても大丈夫ですが、味や香りを楽しむにはサラダにかけるなど非加熱が良いです。
保温効果を期待するのであれば、スープに少量混ぜるのが良いです。
出典
Consumption of Olive Oil and Diet Quality and Risk of Dementia-Related Death