ファイザー社/バイオンテック社の新型コロナウイルスワクチンには感染予防効果と変異株に対しても期待しうる
先日、現状アストラゼネカ社とモデルナ社でのワクチンで感染予防効果が明らかでないことから、ワクチン接種後も感染予防として引き続きこれまで通りのマスクや手洗いなどの感染予防策が必要であると報告させて頂きましたが、CareNetにて「BioToday.com」より情報が出されたワクチンについて有用と思われる情報がありましたので、ご報告させて頂きます。
現在アメリカやイギリス、イスラエルなどでは日本に先行してワクチンの接種が始まっています。
最もワクチン接種が進んでいるイスラエルでは人口の4割超が少なくとも1回の接種が終了しており、アメリカのファイザー社のワクチン接種した60万人について、未接種の60万人と比べたところ、発症者が94%減少し、重症例も92%減少したとの報告があり臨床試験結果と同等の結果が示されました。
また、イスラエルでファイザー社/バイオンテック社のワクチンを接種した方と、非接種の方で感染の程度を検討したところ、1回目のワクチン接種後12〜28日後のウイルス量はワクチン接種後の方は非接種の方と比べ4分の1ほどに抑えられており、また他人を感染させにくいとする効果も示唆されました。
これはLancetにウイルする量が多い人ほど感染させやすい報告に矛盾しないと考えます。
*今後、アストラゼネカ社とモデルナ社のワクチンでの感染予防効果もこれから報告が出てくるかもしれません
また、ファイザー社/バイオンテック社やモデルナ社のワクチンでは最近心配されている新型コロナウイルス変異株に対する阻止抗体も期待されています。
米国ワシントン州シアトルのがん研究センターのAndrew McGuire氏のチームはCOVID-19を経た10人から血液を採取し、続いてファイザー社/バイオンテック社あるいはモデルナ社のワクチンの1回目接種後に再び血液を採取し、採取した血液を使ってその元祖株と南ア変異株の細胞感染を阻止する中和抗体の活性を調べたところ、ワクチン接種後には元祖株と南ア変異株への中和抗体がどちらもおよそ1,000倍上昇していました。
これからさらなるワクチン接種後の効果や副作用などの情報収集は必要と考えますが、発症や重症化予防について肯定的な結果が蓄積されていることに加え、感染予防と変異株に対しても効果が期待できるのであれば、ワクチン接種に問題がないのであれば接種されることをおすすめします。
出典元:CareNet 公開日:2021/02/16