高尿酸血症・痛風について その3(治療:生活療法)
高尿酸血症・痛風の治療では生活習慣について心がけることにより、薬を使わずに治療できることも期待できます。
食事療法、飲酒制限、運動が基本となります。
肉や魚など高プリン体食材を多く摂取すると血清尿酸値は上昇し、痛風発作の再発リスクが高くなります。
食事
果糖、キシリトールは代謝時にプリン体分解の亢進をきたし血清尿酸値を上昇させるため、甘味飲料や果物ジュースは控えるようにしましょう。一方、コーヒー、チェリー、ビタミンC、乳製品(特に低脂肪乳製品)、食物繊維は大規模臨床試験ではありませんが、痛風リスクを下げる報告があります。
尿路結石の予防として尿のアルカリ化と水分摂取が有効で、アルカリ化にはクエン酸などの有機酸を多く含む食材が推奨され、飲水量は1日の尿量を2,000ml以上に保つことが勧められますが、腎臓の機能が低下していないか担当の先生に確認されることをおすすめします。
飲酒制限
酵母、麦芽由来のプリン体を多く含むビールは蒸留酒や赤ワインよりも血清尿酸値を上昇させ、アルコール飲料のなかでビールが最も痛風リスクを高めるとされます。
1日の目安は、日本酒1合、ビールは販売元によって350ml〜500ml、ウイスキー60mlとされます。なお、ワインは148mlまでは血清尿酸値を上げないとされています。
運動
1回10分以上の運動を、1日合計30分以上行うことが推奨されますが、運動は関節への負担によって痛風を誘発する危険性があるため担当の先生に確認されることをおすすめします。