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睡眠不足や睡眠障害は認知症の危険度を高める

[2021.09.25]

睡眠不足や睡眠障害によるデメリットとして以下のような点が上げられます
・脳に物忘れ(認知症)の原因とされるアミロイドβが蓄積する
・認知機能と関係する成長ホルモンが不足し、認知機能が低下する
・食欲が増大し、血圧も血糖値もあがり、コレステロールの代謝が悪化し、認知症のリスクであるメタボリックシンドロームになりやすくなってしまう

米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のRebecca Robbins氏らは2,812人のデータを用いて睡眠不足や睡眠障害と認知症の関連について検討し、Agingに睡眠時間が5時間未満の高齢者では、睡眠時間が7〜8時間の高齢者と比較し、認知症の発症リスクが約2倍あるということでした。
これには睡眠不足や睡眠不足が認知症の初期症状である可能性も否定できませんが、認知症のリスクであることには間違いないと考えます。

また睡眠不足や睡眠障害として寝てしまえば朝までぐっすり眠れるが、眠るまでに時間がかかってしまう入眠困難でお困りの方もいらっしゃると思います。
今回の検討では、この入眠困難についても述べられており、眠るまでの時間が30分超えてしまう高齢者では、30分未満の高齢者と比較し、認知症の発症リスクが45%増加するということでした。

睡眠不足や睡眠障害でお困りのかたに行っていただきたいこと
・就寝環境を整える:テレビや電子機器を置かない
・日中に日光を浴びて、自然な概日リズムを維持する
・入床・覚醒時刻を規則正しく整える
・食事時刻を規則正しく整える
・昼寝を避ける/日中にベッドを使用しない
・決まった時刻に身体運動する(入床前の4時間以降は避ける)
・夕刻以降に過剰の水分を摂取しない
・アルコール・カフェイン・ニコチンの摂取を避ける
・痛みに充分対処する(気づかれていないことも多い)
・認知症治療薬(コリンエステラーゼ阻害剤)の午後以降の服薬を避ける

睡眠不足や睡眠障害の原因としてストレスや不安、うつ病などの心因性の要素だけではなく、睡眠時無呼吸症候群や喘息、疼痛、頻尿など身体的な要素によることもありますので、心療内科や精神科で治療を受けられていても改善が難しい場合は内科の先生に相談されることもお勧めします。
おばた内科クリニックでは、認知症(物忘れ)の診療に力をいれて行っています。
また、睡眠時無呼吸症候群の検査としてご自宅で可能な検査も行っていますので、いつでもご相談下さい。

Examining sleep deficiency and disturbance and their risk for incident dementia and all-cause mortality in older adults across 5 years in the United States
Rebecca Robbins

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