アルツハイマー型認知症の新薬「レカネマブ」 アメリカでは承認済!
「レカネマブ」とは、アルツハイマー病治療薬の新薬です。エーザイとバイオジェンが共同で開発しており、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβを取り除くことを目的としています。この薬は、日本では2023年1月に厚生労働省に承認を求める申請を行い、8月21日に専門家部会が開かれて承認判断が行われる予定です。
なお、この薬は米国では既に2023年7月に食品医薬品局(FDA)によって迅速承認を受け、アルツハイマー病治療薬としてフル承認されています。
レカネマブの特徴は、従来のアルツハイマー病治療薬と比べ、アミロイドβを除去することでアルツハイマー病の進行自体を抑えることが期待できることです。
治験では、18ヶ月時点で投与群がプラセボ群と比較して27%の悪化抑制が示されています。
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ただし、レカネマブの適応はアルツハイマー型認知症の初期あるいは軽度認知症であり、中等度以上に進行したアルツハイマー病の人には効果が確認されていません。
治験時のデータを含めますと、アミロイドPETと言う画像検査や脳脊髄液検査によりアミロイドβの蓄積を確認する必要があると思われます。
また、高齢者や他の薬(抗凝固薬など出血傾向のある薬)を服用している人には慎重に投与する必要があります。
特に、出血傾向がある人や脳内に出血性の病変が見つかった人は副作用のリスクがあるため、対象外となります。
レカネマブの投与方法は、2週間に1回点滴で行われます。
なお、承認された場合、レカネマブはアルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβを取り除くことができる国内初の薬となり、アルツハイマー病の治療に期待されています。
しかし、費用面については高額であり、アメリカでは患者1人当たり年間約370万円(1ドル140円計算)とされています。
日本でも保険適応となる場合、一般的にはアメリカよりも価格は低くなるものの、少なくとも年間100万円以上の負担が予想されます。
ただし、高額療養費制度を利用することで、一部の費用が補填される可能性もあります。
現在、レカネマブは日本での承認待ちの状態であり、厚生労働省の専門家部会による承認判断が待たれています。
もしレカネマブが承認されれば、アルツハイマー病患者の治療に新たな選択肢が加わることになるでしょう。
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