風邪に抗生剤?採血の意味は?
こんにちは。おばた内科クリニックの勝原俊亮です。
「風邪をひいたら抗生剤を飲むべきですか?」
外来でよくいただくご質問の一つです。
まず、いわゆる“風邪”のほとんどはウイルス感染によって引き起こされます。ウイルスに対しては抗生剤(抗菌薬)は効果がありません。つまり、多くの風邪は抗生剤なしでも自然に治るのです。
しかし場合によっては、抗生剤が必要になることもあります。たとえば、
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高熱が数日続く
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痰の色が黄色〜緑色で量が多い
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扁桃炎や副鼻腔炎、中耳炎などの細菌感染を合併している
こうした場合には、細菌感染が疑われるため、抗生剤が処方されることがあります。
また、風邪と思って受診した際に採血をすすめられることがあります。これは、
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感染がウイルスによるものか、細菌によるものかを見極めるため
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炎症の程度を把握するため(CRPや白血球数など)
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他の病気が隠れていないかを確認するため
といった理由によるものです。特に高齢者や持病のある方では、肺炎などの重篤な感染症を早期に見つけるために重要です。
「なんで風邪で血をとるの?」「薬いらないの?」と疑問に思ったときには、ぜひ医師にご相談ください。
風邪はよくある病気ですが、ケースによって対応は異なります。
正しく理解して、安心して治療を受けましょう。