レビー小体型認知症
概念
Lewy小体が広範な大脳皮質領域で出現することによって進行性の認知症と体動困難(パーキンソニズム)を呈する病態
疫学
高齢者の認知症の約20%にみられ、男性に多い
症状
- 体幹の傾き 、歩行障害、体が硬い(筋強剛、固縮)
- 幻視(他の方には見えないが、患者さんには人や動物などが視える)
- 夜中に大声を出す、寝言(REM睡眠行動障害)
- うつ症状(またはうつ病の既往)
- 「いつの間にか低血圧」、失神(意識消失発作)の既往
- 薬に対する過敏反応(風邪薬で眠気を催すなど)
治療使用薬のポイント
- 薬の過敏性に注意(一般の想定よりも薬の効果が強く現れる)
- 医療保険の適応があるのはドネペジルであるが、リバスチグミンも効果が期待できる
- シロスタゾールも効果的 *レビー小体型認知症には保険適応はありません
- 抑肝散が効果的で、幻視を改善させることもある
- 体が動かしにくいなどのパーキンソン症状にはレボドパ製剤を少量使用する
SPECT/PET
正常、または海馬の萎縮
CT/MRI
後頭葉皮質の血流低下
DAT scan
基底核ドパミン再取り込み低下