群発頭痛
どのような病気?
- 右や左など片側の眼の奥から側頭部のえぐられるような激しい痛みを生じる頭痛
疫学
- 発病率は10万人あたり約50〜400人で、遺伝的要因は明確でない
- 20〜40歳ごろに発症し、男性が約75〜90%を占める
症状
- 片頭痛と異なり、前駆する症状は認めず、嘔気や嘔吐は少ない
- 片側の眼窩、眼窩上部または側頭部にかけて灼熱感が数分間起こった後に、同部から側頭から頭頂部にかけて突き刺されるような、えぐられるような、灼けるような激痛が突発し、15分〜3時間持続する
- 発作は就寝後1〜3時間以内の最初のREM期、あるいは早朝に起こることが多い
- 発作は定期的に起こることがあり、アルコールにより誘発されることがあり、発作期間中は禁酒が望ましい
- *REM期;睡眠中の状態のひとつで、身体は休んでいるが、脳は活動している状態
- 頭痛側に流涙、結膜充血、鼻閉・鼻汁などの症状を認めることがある
原因
- 海綿静脈洞部における内頚動脈の拡張、同部位の無菌性炎症、神経ペプチド異常や視床下部に発生源があるなどの説があり、いまだ確立していない
- 遺伝的要因の関与も指摘されているが、まだ解明されていない
誘因
治療
- 消炎鎮痛薬は効果が乏しく、トリプタン製剤と酸素吸入が最も即効性で有効とされる
- スマトリプタン皮下注は保険適応もあり、有効性が高い
- 頭痛が激しいときはフェイスマスクにて酸素吸入を併用する
- 酸素吸入は、頭痛発作が起こってから10分以内に吸入するのが望ましい
- 予防としては、Ca拮抗薬のベラパミル塩酸塩を用いる
- 有効な予防治療が少ないことから、発作期にはアルコールを控える
- また群発頭痛ではヘビースモーカーが多いとされており、禁煙も有効と思われる