食べにくさ(嚥下障害)・話しにくさ(構音障害)の改善を目的とした自主練習のやり方
先日、食事や水分を摂られる時にむせ込んだり、食べ物や水分が肺に落ち込んでしまうことを誤嚥と言う話をさせて頂きました。
嚥下機能障害により肺炎を発症した場合(誤嚥性肺炎)は通常の細菌による肺炎よりも重症化や治療に難渋することがあり、いかに嚥下機能障害を早期に発見しその障害を回復させるかが大事となります。
今回は、嚥下機能の回復を目的とした自主訓練のやり方についてお話をさせて頂きます。
訓練姿勢
(1)腹式呼吸
①椅子に座り片手をおへその位置に当てる。
②お腹を凹ましながら、息を吐ききる。
③鼻からゆっくりお腹を膨らませながら息を吸う。
④息を吸ったらゆっくり口からお腹を凹ませながら息を吐く。
①〜④を10回繰り返す。
(2)首の体操
①頭を上下にゆっくり動かす。各5回
②頭を左右にゆっくり動かす。各5回
③首をゆっくり時計回り反時計回りに動かす。各5回
(3)肩の体操
①両手をあげてゆっくり下す。5回
②肩をゆっくりあげて下す。10回
③肩を前から後ろへ回す。肩を後ろから前へ回す。各10回
(4)口の体操
①口を開けたり、閉じたりする。10回
②口をすぼめたり、横に引いたりする(うーいー)。10回
③頬を膨らましたり、凹ましたりする。10回
④舌を出したり、引っ込めたりする。10回
⑤舌を左右に動かす。10回
⑥舌を上下に動かす。10回
(5)発声訓練
①鼻からゆっくり息を吸って「あー」とできるだけ長く声を出す。5回
②1音1音区切って「あ」の発声をする。「あ/あ/あ/あ/あ」5回
※お腹から声を出すイメージで!!
③あえいうえおあお〜の発声
「あーえーいーうーえーおーあーおー」
1音1秒のイメージで1音ずつ伸ばしながら発声する。
「あっ/いっ/うっ/えっ/おっ/あっ/おっ」
1音1音区切って発声する。
☆「あえいうえおあお」音読
・あ え い う え お あ お
・か け き く け こ か こ
・さ せ し す せ そ さ そ
・た て ち つ て と た と
・な ね に ぬ ね の な の
・は へ ひ ふ へ ほ は ほ
・ま め み む め も ま も
・や え い ゆ え よ や よ
・ら れ り る れ ろ ら ろ
・わ え い う え を わ を
④ぱ、た、か、ら発声
「ぱ/ぱ/ぱ/ぱ/ぱ」3回
※口唇をしっかり動かす。
「た/た/た/た/た」3回
※舌の先を動かす。
「か/か/か/か/か」3回
※舌の奥を動かす。
「ら/ら/ら/ら/ら」3回
※舌先を弾くように動かす。
「ぱたから」を連続で5回発声する。
嚥下訓練に関する参考資料
・機能解剖からよくわかる!「誤嚥」に負けない体をつくる間接訓練ガイドブック
大野木宏彰 著
・嚥下障害のことがよくわかる本
藤島一郎 監修