認知症にラベンダー精油と八味地黄丸は?
2019年4月13日土曜日にBiVi天神におきまして「第21回七隈アルツハイマー病・パーキンソン病研究会」が開催されました。
基礎と臨床から報告があり、結論からご報告させて頂きますと、「ラベンダー精油と八味地黄丸は認知症治療に期待できる」ということです。
・睡眠不足による海馬の病態生理学的変化に対するラベンダー精油の効果
福岡大学薬学部 臨床薬物治療学教室 村田 雄介先生
これまでもアルツハイマー病患者さまにアロマセラピーの有用性が報告させていましたが、どのような作用が有効であるのかは不明な点がありました。
今回の報告では、ラベンダー暴露により、
・神経栄養の経路が活性化される
・神経損傷が抑えられる
・神経新生が促進される
などの可能性が示唆されました。
・脳における糖尿病関連因子に対する八味地黄丸の効果 アルツハイマー病との関連1
福岡大学薬学部臨床疾患薬理学教室 福留 凌太先生
脳GLP-1受容体に対する八味地黄丸の効果 アルツハイマー病との関連2
福岡大学薬学部臨床疾患薬理学教室 比嘉 可南子先生
八味地黄丸は糖尿病や高血圧治療に用いられていますが、福岡大学薬学部臨床疾患薬理学教室での研究によりアルツハイマー型認知症による認知機能障害の改善が期待されています。
今回の報告にて、八味地黄丸が糖尿病による血管内皮細胞障害や神経細胞障害の進行を抑制を抑制することにより、空間記憶障害の進行が抑制された可能性が報告されました。
現在アルツハイマー型認知症に対する根本的な治療薬はありませんが、今後の認知症発生や改善を期待する方法としてラベンダーや八味地黄丸も考えて良いと思います。
注意点としては、八味地黄丸は薬であることから副作用出現の可能性もあり、使用をご希望される方は主治医の先生にまず相談されて下さい。